50代から始めるNISA|今さらは誤解?老後資金の守り方

ノウハウ

 NISAという言葉、もう耳にタコができるほど聞いていると思います。「制度自体は知っているけれど、今さら自分には…」と感じている方も多いのではないでしょうか。  特に50代以上の方々は、いわゆる「昭和」を生き抜いてきた世代です。「お金は汗水垂らして自分で稼ぐもの」「お金儲け=投資は、なんだか卑しい、騙し騙されるギャンブルの世界」という感覚を持つのは、ある意味で正常な感覚です。

 しかし、NISAで目指すのは一攫千金のギャンブルではありません。  これまで懸命に働いてきた皆様の代わりに、今度は「お金自身に働いてもらう」。そして、インフレ(物価高)から「資産の価値を守る」こと。これがシニア世代のNISAの目的です。

「貯金=安全」は本当? インフレという静かなる脅威

  「現金で持っていれば減らないから安心」  これは、半分正解で、半分間違いです。額面は変わりませんが、そのお金で「買えるもの」が減っていくからです。

 10年前を思い出してください。100円で買えた卵が、今は200円近くになっていませんか?  一方で、定期預金に預けた100円は、ほんの数円しか増えていないと思います。「資産を減らさずに」と思ってした貯蓄が、「何もしていないのに、実質的な価値が半分に減った」ということになります。これをインフレリスクと呼びます。  悲しいことに、一度上がった物価や社会保険料などが、昔の水準に戻ることは期待しにくいのが現実です。

 株式や債券などの金融資産は、経済成長や物価上昇に合わせて価値が上がる性質があります。つまり、投資はお金を増やすというより、「お金の価値を目減りさせないための防衛策」なのです。

「50代からじゃ遅い」は誤解! まだ20年の時間がある

 「投資は20年、30年続けるもの。だから若者向けでしょ?」  「もう50代を過ぎたら長期投資なんてできないよ」

 そう思うのは自然です。しかし、人生100年時代、そして「老後2000万円問題」の現実を直視すると話が変わります。  60歳で定年退職し、65歳から年金受給開始。では、その「2000万円」は60歳で一気に使い切るものでしょうか?  多くの方は、雇用延長や再雇用、パートなどで65歳、あるいは70歳まで働きながら、年金で足りない分を少しずつ補填していく生活になるはずです。

 つまり、50代で始めても、資金を取り崩し終える80代、90代まで考えれば、実はまだ「10年〜20年以上」の運用期間が残されているのです。  これが、50代からでもNISAの「長期投資」が有効な選択肢になる最大の理由です。

何を買えばいい? 「オルカン」の条件と注意点

 では、具体的に何を買えばよいのでしょうか。  個別の企業を選ぶのはプロでも難しく、リスク では、具体的に何を買えばよいのでしょうか。  個別の企業を選ぶのはプロでも難しく、リスクも高いです。そこで、世界中の企業に丸ごと投資できる投資信託、通称「オルカン(全世界株式)」を中核にするのが王道です。

  • メリット: 1本で世界中の企業・業種に分散投資できる(どこかがダメでも他がカバーする)。
  • 注意点: 為替(円安・円高)の影響を受ける。また、短期的には大きく値動きする。

 また、ある程度NISAへの投資額が増え、定年等で収入が減った人は、もっとリスクが低い商品、または「高配当インデックス(切り崩しではなく配当金で収入を得る)」などにスイッチするという選択もよいと思います。

 ここで重要なのがメンタルです。  シニアになって投資を始め、毎日スマホで「残高照会」をして一喜一憂するのは精神衛生上よくありません。基本は「ほったらかし」です。  ただし、若者と違い、シニアには「出口(現金の引き出し)」が近づいています。「さあ使おうと思ったら大暴落していた!」という事態を避けるため、出口戦略の知識が必須になります(※これについては別記事で詳しく解説します)。

シニアがNISAを始めるための「5つの安全条件」

 誰にでもNISAをおすすめするわけではありません。以下の5つをクリアできる場合のみ、NISAはあなたの強力な味方になります。

  1. 生活防衛資金がある: 当面の生活費(半年〜1年以上)を現金で確保できる。(する)
  2. 長期目線である: 10年以上のスパンで考え、短期的な暴落に動じない覚悟がある。
  3. 余剰資金である: 近い将来(数年以内)に使う予定のあるお金(家のリフォーム資金など)は投資に回さない。
  4. 積立投資ができる: タイミングを計らず、毎月淡々と一定額を積み立てられる。
  5. 低コストを選ぶ: 手数料(信託報酬)が安い商品を選べる(銀行の窓口で言われるがままに買わない)。

暴落とどう付き合うか? 事前のルール作り

 市場は必ず上下します。  一番やってはいけないのは、暴落した時に怖くなって積み立てを止めたり、逆に調子が良い時に生活費まで突っ込んでしまうことです。  「機械的に続ける」「年1回だけ資産状況を確認する」といったマイルールを決め、感情を排して淡々と付き合うのが成功の秘訣です。

最後に:リスクと向き合う

 本記事は一般的な情報提供を目的としています。NISAは素晴らしい制度ですが、投資には市場変動、為替変動、元本割れのリスクが伴います。  特にシニア世代は、取り崩し期が近いため、株式だけでなく債券や現金の比率を調整し、家計全体でリスクを管理することが重要です。最終的な判断は、ご自身の資産状況とライフプランに合わせて、無理のない範囲で行ってください。

(参考)証券会社

NISAも債券投資も、証券会社の契約が必要です。
参考までに、私が利用している証券会社を紹介しておきます。

米国社債: 楽天証券
SBI証券でも購入できますが、品ぞろえは楽天証券の方が豊富です。
またクーポン(利息)の受け取りをドルで受け取り、楽天のドル⇒円為替取引を利用すれば
為替コストも抑えられます。

NISA: SBI証券
手数料が安い商品が充実しています。
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