【DS検定対策18】プロジェクト推進の基本と実務視点

データサイエンス

このテーマをブログで扱うかどうか、少し悩みました。 というのも、私自身は定年退職前までモノづくり企業で開発業務に従事し、アーキテクトやプロジェクトマネージャーの実務経験を経て組織運営をしていたため、この分野は正直「得意領域」です。 でもブログは、リスキリングで苦戦している私が専門知識をかみ砕いて共有する場にするつもりでした。自分にとって得意なテーマをどこまでかみ砕けるかと思ったのですが、今回は「現場のOBとしての視点」で、DS検定対策というよりプロジェクト推進のノウハウ的な視点で基本概念をお伝えします。
DS検定対策に閉じず、実践でも生かせる基本的な考え方をシェアしていきたいと思います。

1.課題と問題の違い

ビジネスでは「問題」と「課題」は異なります。 問題とは「あるべき姿」と「現状」とのズレ(ギャップ)がある状態です。 たとえば「ボタンを押してもアプリが動かない」など、想定との差異を指します。 一方、課題とは「あるべき姿を実現するために行うべきこと」。 たとえば「新機能を追加して価値を高める」ことなどです。 問題はズレの解消、課題は理想の実現。まずこの違いを押さえましょう。

2.仮説を立てる

課題解決では、やみくもに手を打つよりも「仮説」を立てて考えるのが基本です。 仮説とは「こうすればこうなるのでは?」という見立て。 思いつきで試行錯誤するより、仮説をもとに机上シミュレーションする方が効率的です。 外れても問題ありません。仮説があることで、ズレを問題として早期に検出・修正できます。 「最後までやったけどダメだった」という失敗を防ぐためにも、仮説思考は重要です。
 なお、問題の解決でも原因と思われる要因を網羅的に抽出し、要因ごとに仮説を立てるというのも有効です。(仮説を立てないで思い付きでつぶしにかかると、結果的に時間がかかります。急がば周りましょう)

3.ゴールの明確化

ゴールは「あるべき姿」です。目的の設定が最も大切です。 ありがちなのは、手段が目的になってしまうケース。 たとえば職人が「良かれ」と思ってコンクリートで家を建てたが、住む人は木の温もりを求めていた――そんなズレです。 大切なのは「何のために」作るかを明確にし、その後に「どうやって」作るかを決めることです。

データサイエンティストも同様で、手段(分析)だけに没頭しては目的を果たせません。 最初にやるべきは、課題の明確化・背景・目的・ゴール設定です。

KPIとゴールの違い

KPI(重要業績評価指標)はゴールそのものではなく「中間目標」です。 例として「午前中に山に登る」というゴールなら、KPIは「5時起床」「8時登山開始」「1kmを50分で登る」など、具体的で定量的な指標です。 KPIをすべて達成すればゴールに近づきますが、KPIそのものがゴールではありません。 また、ゴールは固定し、KPIは柔軟に見直すのがポイントです。

4.分析フレームワークの活用

分析はオリジナルで行うよりも、既存のフレームワーク(手法)を活用する方が信頼性が高まります。 目的に合わせたフレームワークを選定し、結果を客観的に評価できる形にすることが大切です。

5.価値を生む視点

ビジネスにおける「価値」は単なる売上や利益ではなく、「ユーザーにとって有益かどうか」です。 価値には「ニーズ(市場の要求)」と「シーズ(自社の強み)」という2つの側面があります。 ニーズ重視(マーケットイン)は競合が多い一方、未知のニーズに応えることでブルーオーシャンを生み出せます。 一方、シーズ重視(プロダクトアウト)は、アップルのように「自分たちが良いと思うものを磨く」アプローチ。 いずれにしても、最終的には市場に認められることが不可欠です。 DX(デジタルトランスフォーメーション)も、社会課題を解決する新しいニーズへの挑戦といえます。

6.顧客満足度を上げるには

価値を測る代表的な指標が「顧客満足度」です。 アンケートやSNSなどで測ることが一般的ですが、期待を超える体験を提供しない限り「非常に満足」にはなりません。 顧客が感じる価値=期待=ニーズです。 つまり、顧客満足度を上げるには「顧客の期待を知り、それを超える」こと。 そのために、仮説を立て、KPIを設定し、進捗を評価しながら改善を重ねていくことが重要です。

このブログのKPIは「2025年までに記事50本」。 ゴールは「デジタルの恩恵を多くの人と分かち合う」こと。 そのために、専門知識をかみ砕き、誰でも理解できる形で発信していきたいと思います。

7.その他:請負と委任の違い

プロジェクト契約では「請負」と「委任」があります。 請負は「成果物の完成」に責任を持つ契約で、中間報告は不要。 委任は「過程を共に進める」契約で、日々の報告が必要です。 どちらも目的達成を目指す点は同じですが、責任範囲が異なるため、契約時に明確化しておくことが重要です。

まとめ

プロジェクト推進の本質は「目的から手段を考える」こと。 問題と課題の違いを理解し、仮説を立て、KPIを管理しながらゴールを明確に進める。 これらを意識するだけで、DS検定のビジネス領域も実務も格段に理解が深まります。


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