最近よく耳にする「DX(ディーエックス)」という言葉。ニュースや企業の広告、行政の取り組みでも見かけるけれど、「なんとなくデジタルっぽい?」くらいで、実はよくわからないという人も多いのではないでしょうか。
「D」はデジタル。これはわかります。でも「X」って何? なぜ「DX」なの?今回はその「X」に注目して、DXの本質をやさしく解説します。
「X」は“変革”のことだった
DXの「X」は、英語の「Transformation(トランスフォーメーション)」の略です。つまり、DXとは「Digital Transformation=デジタルによる変革」という意味。
ここで大事なのは、「変化」ではなく「変革」だということ。単に紙をPDFにするような“置き換え”ではなく、仕組みそのものを根本から見直すことを指します。
たとえば、昔ながらの電話予約しかできなかった病院が、
- オンライン予約
- AIによる問診サポート(AI入門記事はこちら)
- 診察履歴のクラウド管理
などを導入したら、それは単なるIT化ではなく「医療の在り方の変革」です。これがDXです。
GXもある?「○X」シリーズの広がり
実はこの「X=変革」は、DXだけではありません。最近では「GX(グリーントランスフォーメーション)」という言葉も広がっています。
- GX:Green Transformation
→ 環境問題に対応するための構造的な変革。
→ 脱炭素、再生可能エネルギー、電気自動車など。
DXとGXに共通するのは、「技術を使って、社会の課題を根本から解決しよう」という姿勢です。つまり「○X」とは、“○○の分野における本質的な変革”を意味する記号なんですね。
ITとの違いは?道具と目的の関係
デジタル化というと「IT(情報技術)」と何が違うのだ!?と思いますよね。違いも整理しておきましょう。
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| IT | 技術そのもの | パソコン、ネット、クラウド、AIなど (自然言語処理入門記事) |
| DX | 技術を使って仕組みを変えること | 業務の自動化、サービスの再設計、働き方改革など |
ITは「道具」、DXは「その道具で何を変えるか」という手段と目的です。
たとえば、Excelを使って売上を集計するのはIT。でも、売上データをAIで分析して、商品ラインナップや店舗配置まで見直すのはDXです。

DXはなぜ必要?──身近な課題から考える
日本では今、さまざまな社会課題が深刻化しています。
- 高齢化で人手不足が進行中
- 昭和の高度成長期に作られた道路や電力設備が老朽化
- 台風や地震でインフラが次々とトラブル
- 行政手続きが複雑で、時間もコストもかかる
こうした問題に対して、人手だけではもう限界。だからこそ、デジタル技術を使って「仕組みそのものを変える」必要があるのです。
たとえば:
- 道路のひび割れをドローン+AIで自動検知
- 電力の使用状況をIoTでリアルタイム監視
- 行政手続きをスマホで完結できるようにする
これらはすべて「DXによる課題解決」の例です。
DXはブラックボックスにしない
ただし、DXが進むほど「よくわからないまま使っている」状態になる危険もあります。
- AIが何を判断しているのか、わからない
- クラウドに何が保存されているのか、知らない
- 自動化された仕組みに、ただ従うだけになっている
このままでは、技術に“飲み込まれる”未来が来てしまいます。だからこそ、一般の人がITやAIのリテラシーを持つこと=理解する力が必要です。
次回予告
次回(後編)では、具体的なDX事例を紹介しながら、「じゃあ自分には何ができるの?」という視点で、リスキリングのヒントも交えて解説します。
👉 続きはこちら(後編記事)



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