リスクとは「期待しない状態になるかもしれない」ということです。
多くの人はリスクを「起きないように予防するもの」と捉えがちですが、実際には 発生確率と影響度に応じて、回避・転嫁・軽減・許容といった対処を準備することが重要です。
リスクの分類
- 純粋リスク: 損失しかない(事故・病気・災害など)
- 投機的リスク: 損失も利益もあり得る(投資・起業など)
FP試験でも頻出の区分であり、保険で備える対象は基本的に純粋リスクです。
ビジネスにおけるリスク管理
プロジェクト管理では「リスクを洗い出して対応を検討する」とよく言われます。しかし、戦争・震災・感染症のように制御不能な事象まで考え始めるとキリがなく、毛嫌いされることもあります。そういうことではなく、大切なのは、抽出したリスクに対して適切な準備をすることです。
- 回避策を打ちすぎてコストが膨大になる
- 顕在化したときに対応できない
こうした失敗を避けるためにも、リスク管理は「予防」だけでなく「発生時の対応」まで含めて考える必要があります。
リスク対応の4つの方法
- 回避: 危険な行動を取らない(例:危険地域に行かない)
- 転嫁: 保険に加入して損失を移転する
- 軽減: 安全対策を講じて影響を小さくする
- 許容: 小さな損失は受け入れる
人生におけるリスクと保険
人生におけるリスクには、交通事故・ケガ・病気・他人の物を壊してしまうといったものがあります。これに備える仕組みが保険です。
生命保険の役割
生命保険は死亡に備えるものですが、本人ではなく残された家族の生活費やローン返済が主なリスク対象です。
また、病気やケガで治療費が必要になるケースにも備える必要があります。
社会保険という強制加入の仕組み
「保険はいらない」と考える人もいますが、全員が加入しているのが社会保険です。
- 健康保険: 医療費の自己負担を軽減(例:3割負担)
- 年金保険: 長生きリスクに備える仕組み
- 雇用保険: 失業時の生活を支える
- 労災保険: 業務中の事故や病気に対応
- 介護保険: 高齢期の介護費用に備える
年金制度は制度変更や世代間格差など課題もありますが、インフレ対応や資産運用による財源確保など、見えない努力も行われています。
民間保険で備えるリスク
社会保険以外にも、生命保険・医療保険・がん保険などでリスクに備えることができます。
種類は多岐にわたり、定期保険・終身保険・養老保険などの基本形にオプションが加わり複雑化しています。
重要なのは、どのリスクに備えるか・発生時の影響は何か・必要な保険金額はいくらかを把握することです。
貯蓄型保険の注意点
「掛け捨てはもったいない」と感じ、返戻金がある貯蓄型保険に惹かれる人も多いでしょう。
しかし、保険の本来の目的はリスクに備えることであり、貯蓄が目的ならNISAなどの方が効率的に資産を増やせます。
もちろん「保険+貯蓄」を目的に選ぶのは否定しませんが、目的を自覚することが大切です。
FP視点でのリスクと節税
税金というは収入(給料の額面)から必要経費を引いた所得に一定の税率を掛けたて決まります。生命保険や地震保険は、支払額の一部が所得控除の対象になります。収入から控除を差し引くことで課税所得が減り、結果的に税金が軽減されます。
- 生命保険料控除: 一般・介護医療・個人年金の3区分(上限あり)
- 地震保険料控除: 上限あり
- 社会保険料控除: 健康保険・年金は全額控除
- iDeCo: 掛金全額が所得控除
サラリーマンは年末調整、自営業者は確定申告でこれらを適用します。
まとめ:リスクは「予防」だけでなく「準備」
- リスクは「期待しない状態が起きるかもしれない」こと
- 対応は回避・転嫁・軽減・許容の4つが基本
- 人生のリスクには社会保険+民間保険で備える
- 保険は「何のリスクに備えるか」を明確にして選ぶ
- 節税効果もあるが、目的を見失わないことが重要
リスク管理は「起きないようにする」だけでなく、「起きたときに備える」こと。
FPの学びを通じて、保険や制度を正しく理解し、自分に合ったリスク対応を選んでいきましょう。


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