リスク管理の具体事例とFP3級頻出点

ノウハウ

前編では「リスクとは何か?」を整理しました。後編では、具体的な保険制度やFP3級試験で頻出する論点をまとめます。

払済保険と延長保険の違い

解約返戻金を原資に保険料の払い込みをやめ、契約を継続する方法には「払済保険」と「延長保険」があります。
保険金額と保険期間の変化が逆になるため混乱しやすいポイントです。

制度保険金額保険期間
払済保険小さくなる元の契約と同じ
延長保険元の契約と同じ短くなる

覚え方の例:

  • 払済保険:「もう払い済みだから、最後まで面倒見てね」→期間はそのまま、金額は縮小
  • 延長保険:「カラオケ延長」→サービス内容(保険金額)は変わらないが、時間(期間)は短縮

保険の種類と特徴

  • 定期保険: 一定期間のみ保障。掛け捨て型で安価。
  • 終身保険: 一生涯保障。解約返戻金あり。
  • 養老保険: 満期時に満期保険金が支払われる。
  • 医療保険: 入院・手術費用に備える。
  • がん保険: がん治療に特化した保障。

重要なのは「どのリスクに備えるか」を明確にし、必要な保障額を把握することです。

火災保険の誤解と実際

オール電化住宅に住んでいる、タバコを吸わないなど「自分は火事のリスクが低い」と思う人も多いでしょう。
しかし、火災が起きて隣の家に延焼した場合でも、失火責任法により原則として賠償責任を負わないのが日本のルールです。つまり「隣家が燃えても責任を取る必要はない」一方で、自分の家や家財は誰も補償してくれないのです。

このため、火災保険は「自分の身は自分で守る」ために加入するものと理解することが大切です。
特に持ち家の場合は、建物と家財を守る火災保険が生活再建の要になります。

一方で借家の場合は事情が異なります。借りたものは「借りた状態で返す」のが大前提。
もし火事で部屋を燃やしてしまった場合、借主が修復して返す義務が生じます。
このため、賃貸契約では「借家人賠償責任保険」や「個人賠償責任保険」がセットで付帯されていることが多いのです。

年末調整で控除できる保険

保険料控除はFP3級でも頻出の論点です。年末調整や確定申告で所得控除を受けられる保険は以下の通りです。

  • 生命保険料控除: 一般・介護医療・個人年金の3区分(各最大4万円、合計最大12万円)
  • 地震保険料控除: 最大5万円
  • 社会保険料控除: 健康保険・年金は全額控除
  • iDeCo: 掛金全額が所得控除

具体例:生命保険料控除の計算

年間6万円の一般生命保険料を支払った場合:

  • 控除額=6万円×1/4+2万円=3.5万円
  • 所得税率10%なら3,500円の節税効果

FP3級で押さえておきたい重要論点

リスクの分類:純粋リスクと投機的リスク

FP試験では「保険で備える対象は純粋リスクのみ」と覚えるのがポイントです。
純粋リスクとは、損失しかないリスク(例:交通事故・病気・火災)。
一方、投機的リスクは損失も利益もあり得るリスク(例:株式投資・起業)。
保険は利益を生む可能性がある投機的リスクには使えない、という点がよく問われます。

リスク対応の4つの方法

リスク対応は「回避・転嫁・軽減・許容」の4つに整理されます。

  • 回避: 危険な行動を取らない(例:海外渡航をやめる)
  • 転嫁: 保険に加入して損失を移転(例:火災保険に入る)
  • 軽減: 安全対策で影響を小さくする(例:耐震補強をする)
  • 許容: 小さな損失は受け入れる(例:自転車のパンク修理費は自腹)

試験では「保険=転嫁」という理解が必須です。

払済保険と延長保険の違い(復習)

解約返戻金を原資に契約を継続する方法ですが、保険金額と保険期間が逆に変化する点で混乱しやすいです。

制度保険金額保険期間
払済保険小さくなる元の契約と同じ
延長保険元の契約と同じ短くなる

例題:「解約返戻金を使って保険料払込をやめ、保障額は減るが期間は変わらない」→払済保険。
「保障額はそのまま、期間が短縮される」→延長保険。

生命保険の種類と特徴

  • 定期保険: 一定期間のみ保障。掛け捨て型で安価。住宅ローン返済中などに有効。
  • 終身保険: 一生涯保障。解約返戻金あり。相続対策や葬儀費用準備に活用。
  • 養老保険: 満期時に満期保険金が支払われる。貯蓄性が高いが保険料も高額。

試験では「保障目的か、貯蓄目的か」を問う出題が多いです。

社会保険の全体像

社会保険は強制加入で、以下の5つが柱です。

  • 健康保険:医療費の自己負担軽減(例:3割負担)
  • 年金保険:長生きリスクに備える
  • 雇用保険:失業時の生活を支える
  • 労災保険:業務中の事故や病気に対応
  • 介護保険:高齢期の介護費用に備える

FP試験では「社会保険の5つの柱」を正しく答えられるかが頻出です。

保険料控除の種類と上限

年末調整や確定申告で控除できる保険料は以下の通りです。

  • 生命保険料控除:一般・介護医療・個人年金の3区分(各最大4万円、合計最大12万円)
  • 地震保険料控除:最大5万円
  • 社会保険料控除:健康保険・年金は全額控除
  • iDeCo:掛金全額が所得控除

例:年間6万円の一般生命保険料を支払った場合、控除額は3.5万円。所得税率10%なら3,500円の節税効果があります。

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